品質を左右するローラー
実は良い品質の塗装を行うのに欠かせないのが良いローラーです。私は今まで豊田市やみよし市、名古屋市の戸建住宅の塗装を行ってきて多数の技術表彰をされてきました。特に光沢面の仕上げを評価して頂く事が多かったのですが、その理由の一つに使っているローラーがあります。良い品質のものほど、「きめ細かく」「平滑」に仕上げる事ができます。また施工を行う過程でローラーの毛が抜け落ちて仕上げ面に一定数付着する現象が起きるのですが、グレードの高いものほど毛も抜けにくい商品が多いです。
マイクロキューブ

一本当たりのお値段も普通のローラーと比べると高いのですが、塗料の吸い込みが良く、ローラーを押し付けなくても均一に吐き出しを行ってくれるので驚くほど綺麗に仕上げを行う事ができます。また塗料の厚さの調整も簡単に出来るので繋ぎ斑がでない仕上げをすることができます。これにより10年や15年といった期間が経過し色褪せが始まった時も、全体が均一に綺麗に褪せていきます。下の写真は私がマイクロキューブで仕上げたトヨタホームの軒樋です。ローラー塗りですが、全体の塗料が均一で光が綺麗に反射しているのが見て取れると思います。表面の凹凸が限りなく少ないため艶も綺麗で汚れの付着も抑えることができます。
仕上げ1回目 | 仕上げ2回目 |
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完了 | |
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万能ではない

希釈率が低いと非常に塗装が難しい塗料です。ですので希釈率を低く抑えながら、仕上げ面を綺麗に仕上げるためにマイクロキューブではない他のローラーを使用しています。詳細についてはまた違う記事でご紹介したいと思います。
上塗り | 完了 |
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軒天井には23mm
軒天井がリシン吹きになっているような現場では、マイクロキューブ23mmを使用するようにしています。リシン吹きの場合のように凹凸の激しい素地では凹部にも隈なく塗料が行き渡るように毛丈が23mmと少し長めのローラーで仕上げを行うようにしています。
マイクロキューブ23mm |
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おわりに
塗料の選択にも言えることですが、例えば何でもかんでも2液型の弱溶剤塗料を使えば良いという訳ではなく、素地状態や用途に合わせて使い分ける必要があります。これはローラー等の道具にも言えることで、材料にあった道具を使うことで初めて本来の性能が発揮できます。2回目の外壁塗装をご検討の方の現地調査にいった際には以前の塗装の状態を注意深く確認するのですが「仕上げ面が毛だらけ」であったり「激しい継ぎ斑がある」といった事がよくあります。お客様のお話をお伺いすると10年前にハイグレード塗料で塗り替えをされたとの話をお聞きする事がありますが、塗料だけを良くしても塗る技術や道具が伴わなければ早期の退色につながってしまいます。